人気ブログランキング | 話題のタグを見る

銀ちゃんからの励ましメール

銀ちゃんからの励ましメール_f0222248_15531270.jpg
ミツバチが順調に増えたら、いつも見学会やランチ会で使う
お野菜でもお世話になっている、富士のオトワファームさんの
ところにもミツバチを転飼する予定でした。
でも今回、前のブログにyヲが書いたように蜂が激減。
転飼は断念しました。うちの富士のみかんや栗のハチミツを
味見された方もいらっしゃると思いますが、
それはこちらに置かせてもらって採ったものです。
オトワファームの銀次さんにも今年はミツバチを
持っていけないことをお伝えしました。
「奇跡のリンゴ」ならぬ「奇跡のハチミツ」を目指していた
yヲ君はがっくり。。。
そのyヲに銀ちゃんから心のこもった励ましのメールが!
私もとても感激しました。
きっと同じように共感したり、考えさせられたり、
元気が出たりする人が、他にもたくさんいるような気がして、
ここに掲載させていただくことをお願いしました。
生産者として自分達の目指すところに、
これからもくじけず頑張りたいと思います。
以下、銀ちゃんからのメールです。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

お世話になります。ミツバチとても残念です。(中略)
なかなか難しいですね。野菜や果樹は自然界には存在しない
「種(しゅ)」に育種されているので、野菜を育てるイコール、
自然と百姓との共同作業になります。
その中でも農薬を使うこと前提で育種されているものは
無農薬ではかなり技術が必要になってきます。
キャベツなどがそのひとつです。
一方で農薬の助けを借りなくてもちょっと
やり方を変えただけで無農薬でできるものも多くあります。
西洋ミツバチがどれだけ自然界のミツバチから
離れてしまっているかによりますが、
農薬なしでできる可能性はゼロではないと思います。
きっといつかできると思います。
蜂のことはよくわからないくせに生意気言ってすみません。
西洋ミツバチは日本で野生化することはありますか?
ここまでは種としての強さの話です。

以下気を悪くなさらず聞き流して下さい。
農薬そのものの害をちょっと横に置いて話をします。
私が考える農薬の最も大きな弊害は殺虫殺菌の効果が
選択性でないことです。例えば、トマトにアブラムシの
殺虫剤をかけます。トマトに着いていたアブラムシが
皆死にます。と同時に、アブラムシを食べてくれる虫や、
アブラムシに取り付いて殺してしまう菌なども一緒に
死滅してしまいます。これで一時は問題ないのですが、
うっかり生き残っていた1匹のアブラムシが
天敵のない世界で沢山仲間を増やし始めたりすると、
もうどうにも止まりません。しかも、その生き残っていた
アブラムシは農薬が効きにくいアブラムシだったりして、
その遺伝子を引き継いだ子孫はスーパーアブラムシ
になってしまいます。

普通使う農薬が10だとしたら、それを3に減らした場合。
天敵はかなりいなくなっているのに、
うっかり生き残るアブラムシが増える可能性が出てきます。
農薬を使わない場合。アブラムシも出ますが、
天敵もいるため、アブラムシが原因でトマトが
全滅することはありません。自然界はひとつの種に
よる独占を許しません。必ずそれが爆発的に
増えないようにバランスを取る動きが生じます。
もし、それでもアブラムシでトマトが全滅するようであれば、
肥料過多など他の原因を疑う必要があります。
(実際には外来の生物が入ってくると、
変わってきてしまうこともありますが…)

ということで道は2つ。一匹残らず徹底的にアブラムシを
根絶させて、なおかつ外から飛んで来たりすることも
考えて定期的な農薬による防除をする。
もう一つはアブラムシと共存する道。生態系を崩さないように、
アブラムシが住みにくく、天敵が住みやすい環境を作る。
もし3つ目があるとすれば、アブラムシのみに作用する
選択性農薬を使うこと。(JAS有機では微生物を使用したターゲット
を絞った微生物農薬は環境負荷が少ないとして一部有機農産物へ
の使用を認めている)

オトワファームの畑は農薬を使わなくなって、
畑の開墾をしてから約2年半です。
生態系を取り戻すのに十分な時間がどれくらいかわかりませんが、
年々畑の生態系が良くなっているのを感じています。
何が言いたいのかわからなくなってきましたが、
畑でのアブラムシの話と巣箱でのミツバチの話。
なんだか近いような気がしました。
(中略)
長々と勝手な話をしてしまいすみません。
いつも応援しています。銀次
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

銀ちゃん、本当にありがとう。
←menu